「主婦の仕事のおすすめで事務職がでてくるけれど、経験がないしどんな仕事かわからない」
「1日中パソコン入力をしているイメージがあるけど、実際はどんな仕事をするんだろう」
未経験でも応募可能、資格不要の職種として、主婦の方にも人気の高い事務職。
気にはなるけれど、実際の仕事については、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
著者は現役事務職員であり、合計3社で事務職の経験があります。
今回は、事務職の仕事内容について、実際の経験をもとにご説明します。
この記事を読めば、事務職の仕事内容について知ることができ、主婦にとって多くのメリットがあることがわかりますよ。
事務職は多くの主婦にとって最適解
主婦向け求人サイトで、おすすめの1番に挙げられることが多い事務職。
また、2022年の総務省統計局による労働力調査によると、女性の職種で1番多いものは事務職(29.7%)であり、実際に働く主婦の方が、職種として事務職を選択することは多いようです。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構 職業別雇用者数
働きやすい職種としておすすめされ、実際に働く主婦が多い事務職。
主婦の仕事として、最適解のひとつであると考えられます。
事務職ってどんな仕事?
事務職は一般事務、営業事務、経理事務、人事事務、総務事務、医療事務、貿易事務など、ひとくちに事務といっても、多くの種類にわけられます。
今回は、求人の際「未経験でも応募可・資格不要」の条件が多い、一般事務・営業事務・医療事務について解説します。
1 一般事務
主に、資料作成やデータ入力、電話・メール・来客対応、ファイリングなどを行います。
いわゆる多くの人が想像する「事務の仕事」に当たりますが、会社の規模や業種、業務の割り振り方によって、プラスされる仕事に違いがあります。
会社によっては、職種欄に「一般事務」と記載されていても、実際の仕事内容は営業事務と同じ、という場合もあります。
2 営業事務
資料作成、データ入力、電話・メール・来客対応、ファイリングなどの一般事務作業に加え、見積作成、納品までのスケジュール調整など、営業職のサポートも行います。一般事務に比べ、社外の人とのやり取りが多く、会社の窓口としての機能が大きい仕事です。
営業事務として募集する会社は、事務職に対して売上達成への強いモチベーションを求めることが多く、評価基準も、売り上げによって左右される場合があります。
3 医療事務
病院やクリニックに勤務し、主に受付業務・会計業務・患者対応・電話対応・診療報酬請求業務(レセプト業務)などを行います。
スタッフが少人数の場合、院長や職場の雰囲気によって、働きやすさに大きな違いがあります。
土曜日営業の病院・クリニックが多いので、土曜日出勤になる場合があります。
著者は現役の事務職員!実際どんな仕事をしているの?
著者は現役事務職員であり、3社の会社で事務職として働いた経験があります。
職種としては同じ事務職ですが、業務内容や忙しさには大きく違いがあるので、実際どんな仕事をしていたのか詳しくご説明します。
事務職として働いた3社は次の通りです。
すべて正社員として働いています。
1社目:営業事務 建材商社(大企業)の支店勤務(支店事務員 6名)
2社目:一般事務 菓子メーカー(中小企業)勤務(事務員 3名)
3社目:一般事務 住宅機器メーカー(中小企業)の支店勤務(事務員 2名)
1社目:営業事務 建材商社(大企業)の支店勤務(支店事務員 6名)
①会社の事業内容
建材や住宅設備機器(住宅や施設を建設する際に使用する材料・機器)を販売する会社です。
パイプ管や蛇口、便器、ユニットバス、エアコン、浄化槽など、多くの商品を取り扱っており、取引メーカーは数百社。
商社なので、自社で商品を製造するのではなく、施工業者(お客様)と製造メーカーの間に入り、発注業務、金額交渉、納品スケジュールの調整、見積作成、商品の提案などを行います。
②主な仕事内容
発注業務、見積作成、電話・メール対応、納品までのスケジュール調整、データ入力、ファイリング
発注には締め切り時間があります。
そのため、午前中に発注業務と、急ぎ回答しなければいけない問い合わせ対応などをこなし、午後に見積作成やデータ入力などを行います。
発注業務や見積作成、データ入力などは、会社やメーカー独自のシステムを使用して行います。
そのため、各自フォーマットが決まっており、入力作業自体は難しくありません。
業務量が多いので、優先順位をつけ、いかに効率よくさばいていくかという点が重要でした。
③職場の雰囲気・忙しさ
忙しく、緊張感のある雰囲気でした。
常に電話が鳴っている状態で、電話対応をしながら、発注業務などのパソコン入力を行っていました。
営業職1名+事務職1名のペア体制で、担当顧客に対応。
そのため、営業不在の場合は、事務職が適正価格などを考え、金額交渉をする場面が多かったです。
大企業のため、業務のマニュアル化・システム化が徹底されており、効率的に仕事ができました。
④働いて良かったと感じたこと
- 責任の範囲が広く、やりがいを感じられた
- 担当のお客様と仲良くなり、直接感謝の言葉をもらえた
- 事務員同士の仲が良く、つらい時も乗り越えられた
- 大企業のため、福利厚生が充実していた
⑤働いて嫌だと感じたこと
- 残業が多かった
- ペアの営業男性に仕事を押し付けられることがあった
⑥退職理由
7年半勤務し、妊娠が理由で退職しました。
産休・育休をとって職場復帰も考えましたが、忙しく、残業が多いことや、通勤時間が長いことなどから、退職を決意しました。
全国に支店があり、他の支店では、産休・育休をとって復帰する方もいたので、同じ会社であっても、支店によって働く環境の違いは大きいと感じました。
2社目:一般事務 菓子メーカー(中小企業)勤務(事務員 3名)
①会社の事業内容
自社で製造・包装した菓子を、スーパーや問屋などに販売する会社です。
取り扱う菓子は約20種類。
社員は、原料の仕入れから製造、納品まで、ほぼ全ての工程にかかわり、協力して仕事を進めます。
②主な仕事内容
製造スケジュールの立案・調整、受注業務、出荷業務、資料作成、電話対応、倉庫管理、ファイリング
仕事の中で大きなウエイトを占めていたのは、製造スケジュールの立案・調整でした。
事務員(著者)が大まかな月間スケジュールを組み、それを軸に、原料調達や、倉庫管理など、社員全員で仕事を進めます。
その後、1週間単位でも細かくスケジュールを組み、他の社員や工場長と相談しながら、日々調整を行っていました。
毎日の事務作業・出荷業務のルーティンは、次の通りです。
- 受注内容をパソコンに入力
- 納品書と送り状・商品に貼るシールを作成、印刷
- ノートに当日の出荷内容を記入
- 商品の品出し・ピッキング・シール貼り
作業自体は難しくありませんが、手間と時間がかかりました。
③職場の雰囲気・忙しさ
ワンマン社長の機嫌によって、予定が大きくかわることが日常茶飯事。
社員全員が振り回されているという印象でした。
小さな会社のため、事務職員は、事務作業以外の仕事をする割合も多く、社内のことには全てかかわっていました。
椅子に座って作業する時間は短く、出荷業務や、スケジュール調整のための在庫確認などで、毎日常に動き回り、在庫品整理などの力仕事もありました。
④働いて良かったと感じたこと
- 責任の範囲が広く、やりがいを感じられた
- スケジュールの立案・調整の仕事が楽しいと感じられた
- 社員の結束が強く、協力して仕事を進めることができた
⑤働いて嫌だと感じたこと
- お客様や社員のために、というより社長の機嫌を取るために働いていると感じ、途中からやりがいを感じられなくなってしまった
- ワンマン社長に、都度、こちらの考えを伝えて、予定通り計画を進めたいと交渉しなければいけないことに疲弊した
- ワンマン社長が常に事務所にいて怒鳴っているので、雰囲気が悪かった
⑥退職理由
ワンマン社長のパワハラ、これにつきます。
パワハラにより、著者が勤めていた1年半の間に、10人以上の社員の入れ替わりがありました。
他の事務員も全員辞めてしまい、長く勤められる環境ではないと判断しました。
出産後、初の仕事だったことや、仕事内容は楽しかったこともあり、悩む気持ちもありましたが、今は退職して正解だったと強く感じています。
3社目:一般事務 住宅機器メーカー(中小企業)の支店勤務(事務員 2名)
①会社の事業内容
住宅設備機器(キッチン関連)の製造・販売を行う会社です。
製造は委託会社が管理しているため、在庫管理や販売・営業に特化しています。
②主な仕事内容
発注業務、資料作成、電話・メール・来客対応、備品管理、ファイリング
発注には締め切り時間があるため、午前中に発注業務を行い、午後は資料作成や問い合わせ対応を行っています。
メーカーなので、商品に関しての問い合わせを受けることが多く、専門的な知識が必要な場面もあります。
③職場の雰囲気・忙しさ
支店のため、日中は事務員2名体制。あまり忙しくはなく平穏な雰囲気です。
仕事内容は、事務業務と事務所の清掃のみなので、難しいこともなくラクですが、反面つまらないと感じてしまうこともあります。
④働いて良かったと感じたこと
- 毎日定時退社できる
- 休みがとりやすい
- 責任の範囲が狭く、ストレスを感じにくい
⑤働いて嫌だと感じたこと
- やりがいを感じられることが少ない
- システムやマニュアル等が確立されておらず、会社のルールが明確ではないため、人によって指示内容が違い、混乱する場面が多い
⑥現在も在職中
入社から約1年半経過し、現在も在職中です。
職場の雰囲気が良く、ワークライフバランスもとりやすいので、長く勤めていきたいと思っています。
現時点では、仕事でやりがいを感じられることが少ないので、私生活で、なにか夢中になれることを探して、モチベーションを上げていかなければいけないなと考えています。
3社経験してきた著者が、主婦に事務職をおすすめする理由
著者の経験談を読んでいただくと、残業が多い会社や、パワハラ社長のいる会社もあり、なぜ主婦に事務職をすすめるのか疑問に思われる方もいるかもしれません。
ここでお伝えしたいのは、私の経験談には失敗談も含まれているということです。
そしてその失敗の理由は、事務職だからではありません。
失敗の主な原因は、就職活動中の「会社選び」によるものです。
事務職には、ワークライフバランスを大切にしたい主婦にとってのメリットが沢山あります。
事務職は主婦にとってメリットが多いので絶対おすすめ!
事務職のメリットは次の通りです。
- ルーティンワークで時間調整がしやすく、残業が少ない
- 土日休みの会社が多いため、保育園などの休みと合わせやすい
- デスクワークなので、体力的な負担が少ない
- 仕事が固定化されており、引継ぎしやすいため、急な休みなどに対応しやすい
このように、事務職には、主婦が働く際に求める多くの条件がそろっています。
著者は、在職中の会社で、このメリットを全て享受できており、事務職の働きやすさを日々感じています。
正しい会社選びで事務職のメリットを最大化しよう
実際に経験して、そのメリットの多さ、働きやすさを感じるからこそ、多くの主婦の方に事務職をおすすめします。
そして事務職のメリットを最大限享受するためには、就職活動の際の「会社選び」が重要です。
著者は就職活動の際、次の点で失敗したと感じています。
1社目の失敗点
妊娠や出産後の働き方を考えずに就職活動をしていたため、産休・育休取得者などの確認をしていなかった。
→結婚・妊娠を機に退職する人が多く、それが通例となっており、子育て主婦の働く環境が整っていなかった。
2社目の失敗点
早く就職したいという焦りから、面接時に感じた、社長の言動に対する違和感について深く考えず、入社してしまった。
→社長のパワハラによって、長く働ける環境ではなかった。
このように、就職活動の段階で、きちんと確認できていなかったことが後々大きな問題となり、退職という結果にまで至ってしまいました。
これから就職活動を始める方たちに、著者と同じ失敗はしてほしくないと強く思います。
就職活動には、多くの時間と労力がかかります。
その努力を無駄にしないためにも、正しい就職活動を行ってください。
事務職の就活 成功のカギは転職エージェントの活用
ここまでの記事を読み、事務職に興味をもっていただいた方、ぜひ就職にチャレンジしていただきたいです。
「正社員として事務職で就職したい、就職活動を成功させたい」
そんな方には、転職エージェントの活用をおすすめします。
自分1人の考えや知識、経験のみで就職活動を進めると、悩む場面が多く、正しい判断ができない可能性があります。
著者も1社目、2社目の就職活動では転職エージェントをあまり利用せず、自分1人の判断で会社を選び、結果として、退職に至ってしまいました。
3社目の就職活動では、転職エージェントを活用し、相談しながら就職活動を進めたことで、現在は希望の条件を満たす、働きやすい会社に勤めることができています。
転職エージェントをおすすめする理由
転職エージェントを利用することで、就職活動の成功確率がぐっと高まります。
就職活動を成功させるためには、次の2点が必須です。
多くの会社情報を入手し、正しく比較検討すること
最大限の自己アピールを行い、採用を勝ち取ること
多くの会社情報を入手し、正しく比較検討すること
求人募集の方法は、求人サイト・転職エージェント・ハローワーク・折り込み広告・自社サイトなど、会社によって様々です。
そのため、情報収集の方法や媒体を絞ってしまうと、自分にとって1番条件のいい求人を、取りこぼしてしまう可能性が高いです。
なるべく多くの情報を入手できるように、特に求人サイト、転職エージェントは複数登録することをおすすめします。
また、集めた情報を正しく比較検討することも重要です。
給与や、福利厚生、職場の雰囲気などを比較し、自分の希望に合うかどうかを見極め、条件のいい会社を選択してください。
「記載条件について、わからない部分を教えてほしい」
「条件の合う求人がみつからない」
そういった場合には、転職エージェントに相談することをおすすめします。
転職エージェント内の求人に関しては、エージェントに記載内容の詳細を確認してもらえます。
また、希望条件の求人をリサーチして紹介してくれるので、見つかる確率が高くなります。
希望する働き方を伝えた上で、どんな条件が合うか相談してみるのもいいですね。
最大限の自己アピールを行い、採用を勝ち取ること
正しい会社選びができれば、次は採用を勝ち取るため、履歴書や職務経歴書、面接対策をしっかり行う必要があります。
「履歴書の正しい書き方がわからない」
「書類を添削してもらいたい」
「第三者から自分の印象を教えてもらいたい」
このような場合も、転職エージェントがサポートしてくれます。
アドバイスをもらえることに加え、エージェントからも会社にアピールしてもらえるので、採用の可能性も高まります。
また、普段、ビジネスの場にかかわりの少ない主婦の方にとっては、転職エージェントとやり取りすること自体が、会社とやり取りをする際の練習にもなります。
転職エージェントに登録しよう
著者が実際に利用した、おすすめの転職エージェントは次の2つです。
dodaエージェントサービスリクルートエージェント有名なサイトのため、ご存じの方も多いかと思います。
無料で利用できるので、まずは登録して、第一歩を踏み出してみてください。
「転職」とありますが、出産・子育てなどで、退職後の期間が開いていても利用できるので、安心してくださいね。
登録の際の記入事項はほぼ同じなので、同時に2つ登録してしまうことをおすすめします。
まとめ
事務職は、ワークライフバランスを重視する主婦の方にとって、メリットの多い職種です。
そのメリットを最大限享受するためにも、就職活動の際は、正しい会社選びを行いましょう。
事務職は就職倍率が高いと聞き、躊躇する方もいるかもしれませんが、応募期間が短いことが多く、穴場の求人も結構あります。
ぜひチャレンジしてみてください。
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